
私たち舳倉屋は、代々この輪島で伝統調味料「いしる」を作り続けてきました。それが始まりであり、誇りでした。
「いしる」は魚を原料とした伝統的な発酵調味料です。
海に囲まれた日本で、魚を保存するための知恵として生まれました。魚のうま味がぎゅっと詰まった天然の魚エキスは、日本の美味しい魚料理を食べる時の「隠し味」として、なくてはならない存在です。美味しい塩辛も、美味しい干物も、美味しい鍋つゆも、この「いしる」がないと、何か物足りなくなってしまう日本の深い味わいの一つです。
しかし、2024年1月1日、あの数分で、一瞬にして「被災地」となり、それまで自信があった商品の価値や、能登で作る理由を見失いました。幸いスタッフも私たち家族もみな無事でしたが、目の前の悲惨な状況を見て、どう一歩を踏み出していいのかさえ分からず途方に暮れるしかないと感じていた私たちに、地震発生から数分後には、たくさんの助けや心配のメッセージが届き、どれだけ救われたか分かりません。


このまま潰れてしまうのではないかという最悪の事態も頭をよぎりましたが、でも今度は、この先どこかで震災があった時にたくさんの商品で人助けできるくらいの会社でありたい。
そう思えたのは、たくさんの皆様からの応援メッセージがあったからです。今から輪島で仕事を失ってしまう人が確実にたくさん出ます。
そんな中、私たちは、雇用できる会社でありたい。
そして能登の伝統発酵調味料いしるの作り手でありたい続けたいんです。
そのためには、ここでもう一度、もう少しがんばりたいのです。
